夜を使いはたして
砂浜を背に宇宙を見下ろす
薄い網膜越しに意識が
宇宙そのものに溶け出す。
すーうっと、流れ星。
もういっその事
全てが下手くそだったあの頃に戻してくれ!
言葉には出さずに
星空が突き抜けるほどに
心の中で静かに叫んだ。
目下過ぎ去る時間が嘘みたいに美しくて
また止まることも戻すこともできない
刹那の儚さに胸が締め付けられ
生きていることが切なくなった。
瞬きをしてまたよく目を凝らす
どこにも意識を偏らせず
瞳孔から夜空を吸い込む。
夜を使いはたして。