昆布じめ鳥刺し茶漬け
車を見つけ南に向かう。
半日遅れのスタートなので行けるところまで。
山口県を抜けて気がつけば夕方には
大分県に入っていた。
海が見たくて
砂浜の近くの公園に車を止める。
波はなくピンク色の夕方に
まん丸な月が浮かんでいた。
どの町を通り過ぎても
海沿いの道はドキドキした。
自転車に二人乗りした高校生カップルが目の前を横切る。
内陸産まれ内陸育ちの自分は
海の近くで青春時代を過ごせる彼らに
嫉妬に近い憧れを感じた。
さて、さあ、どうしようか。
別府で混浴に入るか
宮崎まで行って朝イチからサーフィンするか
何を迷ってるんだよ。
そんなのどちらもやるに決まってんだろ。
そんなこんなで別府を目指すも
混浴の時間は終わっていたので
小さく舌打ちをして更に車を走らせ
広めの駐車場がある飲食店で
昆布じめ鳥刺し茶漬けをビールで流し込み
食事を済ませて
次の町でも誰かが俺を待っている。
そんな確信に近い予感がしながら
車のシートに身体を預けて
今日も眠りについた。