空が狭い、都会で迷子。
その後は散歩しながら
予約してくれていたおでんや
『あふひ』に連れていかれ
とりあえず美味しいもの全部出して〜と
4、5時間日本酒を飲んではおでんを食べを繰り返し。
1の段が掛け算で1番エロいだの
つぶ貝口移ししてだの
よくわからない角度の下ネタで笑い合い
泊まりたいなら、もっと酔わせなさいよ!
とカウンターに伏せ俺を覗き込み
顔を真っ赤にし挑発する彼女を見ながら
午前中の運転によるストレスはこのための
パドルだったんかあと無理矢理サーフィン哲学と結びつけつつ…俺も思考がアルコールに侵され始めていた。
気がつくと俺は
アイスグレーの落ち着いたトーンの部屋にいた
広すぎず狭すぎずセンスの良さを感じる。
おお、ここが美人の巣かあ〜
とアルコールで麻痺した俺の脳みそが
訳のわからない言葉を口から放り出す。
そうだよ〜
狭いでしょう
私にはちょうどいいけど!
昼間に平和を語っていたはずが
お互いの欲をぶつけ合う大戦を交え
シャワーを浴びて
俺はひさびさのベッドで吸い込まれるように
眠りについた。
俺はどんな時間に寝ても4時半前後には目が覚める。
隣に目をやると
寝てる姿がフェレットみたいだった
そんな彼女はアラームが鳴る度に
止めて!
もうちょっと、もうちょっと!
と寝ぼけながら言うので
しばらく俺は素直にアラームを止め続けた。
11時手前になり
ねえ、何時?💤
10時半すぎ!
え!?は?
アラームは?
ずっと止めてたよ!
なんで!?
止めてって言ってたよ?!
仕事なんだけど!
おう!頑張って!
並んで急いで歯磨きを済ませ
洗顔をし眉毛を書き始める。
じゃあ私職場こっちだから!
気をつけてね!
人波に紛れ消える彼女に
見えなくなるまで手を振る。
さてと…、南に向かうかあ。
あれ?ところで俺の車どこだ?
なあ、誰か知らん?
空が狭い
都会で迷子。