土曜の朝、俺は海にいた。 無風だ。 水平線がピンク色に染まりだす 太陽はまだ出ていない。 昨日の事も 明日の事もどうでもよかった。 否、どうでもよくなった。 今がただただ美しかった。 今日がずっと続けばいい 言葉にせず 美しい今を全身で噛み締めた。 なんとなく、ふいに 両手で海原をかき混ぜた。 目を細める。 太陽が昇り出した。 いい日になりそうだ。