イワカガミ
登山中、足元にふと視線を落とすと
季節の花が慎ましく咲いている。
これはイワカガミ(岩鏡)といい
岩場に多く自生し葉が鏡のように光沢があるからその名がついたそうだ。
しかし、俺は
登り疲れ、岩場に屈んだ時に
ひっそり美しく咲くその姿が元気をくれるから
イワカガミ(岩屈美)になったという独自の新しい説を唱えたい。
その無邪気で健気な姿に心が躍るなら
自分の心にも元気な花がある。
条件が悪いから
条件がそろったら
条件によっては
何より重要な条件は、自分の心だろ。
本気なら、どこでも花は咲く。
いろんなものが心を映し、響き合う。
道端から、いろんな声が聞こえてくる。
登るにはまず足を曲げなくてはいけない。
伸びきったままでは、上へは行けないのだ。
より高く跳ぶために屈まなければならないように、好調だけでは高みに向かえないのだ。
人生は必ず屈伸を繰り返す。
今日も屈んでまた伸びる。