ホトンドビョウキ
身体が心地好い疲れで充実していた。
そりゃそうだ。
日の出と共にサーフィンして
スケートしてまた〆にサーフィンして。
そう、これこれ
これなんだよなあ
脳の疲れより体の疲れが先に来るべきなんだよ
脳が疲れているのに
身体が疲れていないと寝れない。
そんで寝れなくてスマホいじったり
AV見てポコチンいじったり
サブスクで映画見ちゃったりして
画面から出るブルーライトや
刺激の強すぎる映像でドーパミンがの過剰分泌により脳が覚醒してまた寝れない…。
そして、完璧に疲れが回復しないまま朝が来て
やりたくもない仕事へ行き
週末は同じ境遇を持った仲間と
平日の虚しさをアルコールで薄めるスパイラル
酒を傾けては愚痴をこぼす。
まあ言い過ぎかも知れないが
俺の知っている『現代人』の大半は
こんなライフスタイルな気がする。
そして俺もそこに属していた。
ほとんど病気みたいな群れの中にいた。
サーフィンやスケート
俺が週末に情熱を燃やし
平日と言われる日を解毒する為に
行っていた遊びが俺をここまで連れて来た。
今の俺は知らない土地のコンビニで
ほうじ茶と団子を食べながら
うっすら眠気を感じながらも思考はクリアだった。
どんどん模範解答から遠ざかって行ってる快感を感じながら今までの自分の世界の狭さにがっかりもした。
お茶をもう一口飲み、エンジンをかけ
眠気が飛んだので行けるとこまで
車を走らせる事にした。
山に囲まれ車通りのない道は
暗闇が何処までも広がり
世界に俺しかいなくなってしまった様だった。
車のハイビームだけが闇を切り裂き
まだ見ぬ"向こう側"を照らしていた。