パピコ
4歳の頃
じいちゃん家の庭の
鯉のぼりの下で食べた
懐かしさをともなうアイスがパピコだ。
今はばあちゃんしか住んでいない。
ホワイトサワー味だった。
16歳の頃
気になる娘のバイト終わりを狙って
パピコを買って行ったら
その娘もパピコを買って待っててっていう
甘酸っぱい思い出とセットのアイスがパピコだ。
年末に「来年の2月に結婚するんだあ」って連絡が来た。懐かしさにほろ苦さが加わって
大人になるってこういうことなんかな、嗚呼。
定番のチョココーヒー味だった。
ついこないだ海上がりに
コンビニの駐車場で半分こしたのは
レモン味だった。
その日に梅雨明けが発表されたので
そのやさしい酸味は一生俺の中で
"夏の始まりの味"になった。
そして今
マスカットオブアレキサンドリア味という
なんやよく分からんカッコ良すぎるパピコが出ている。
いったいこの味はどんな思い出とリンクするのだろうか。
本当の贅沢ってのは
仕事を頑張った自分へのご褒美に
1人でハーゲンダッツを食べることじゃあねえよ。
海上がりに温泉に入って
大切な誰かと夕陽を眺めながら
パピコを半分こすることなんだよ。
俺の夏を半分やるよ
パピコで乾杯しようぜ。