ミニマリズム 中編
自宅に帰りシャワーを浴びた俺は昼過ぎまで寝た。
起きてから布団の中で昨日の事を思い出す。
"もう、かっこつけなくてもいいのか"
直感とも確信とも言えない感覚が
まだ頭の中に残っていた。
ここでいう"かっこつけない"とは
着飾らないや過度に整えすぎないという意味で捉えてもらいたい。
表面上のかっこよさの話だ。
つまり、他人の目を気にして自分の形を変えないという事でもある。
寝巻きにダウン、寝癖をキャップで押さえた状態でモテたならもう何も要らないんじゃないか?
俺は気がつくとクローゼットを開けて
お気に入りの服以外を大きな袋に詰めはじめていた。
結局お気に入りとして手元に残ったのは
華美なものでは無くシンプルな物だった。
それともう一つ、アルコールだ
あんなに内臓にダメージを与える物を
喜んで過剰に摂取していたのはなぜだ?
という疑問だ。
俺は習慣的にアルコールを摂取していた
週4程度で晩酌もしていた
これって"必要"なのか?
試しにやめてみることにした
必要性を感じたらまた取り入れればいい
先程、不要と判断した服を詰めた袋を
車に乗せリサイクルショップに向かう。
外は笑えるほど寒く
雪がちらついていた。
つづく