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      合計

      海へ還ろう

      Justin Bieber ft. Chance The Rapper『Holy』

      Justin Bieber ft. Chance The Rapper『Holy』

      お昼寝をして酔いが覚めたところでさらに南を目指す。

      天気はすこぶる良い。

       

      あー波ねえかなあ〜…

       

      Googleマップで波が立ちそうな場所を探す。

       

      お!ここならワンチャンあるかもしれんな

      行ってみよ!

       

      なんとなく目星をつけた場所に向かう。

      向かう最中にイザナミイザナギの神社が出てきた。

      淡路島は日本神話では一番最初に作られた島なのだ。

      導かれたかのようにそこで旅の願い事をし

      さらに南を目指す。

       

      目的地に着いたのだが残念なことに

      波は無くむしろ面ツルで淡い透明な海原に

      太陽が沈みかけていた。

       

       

      車から降りて背伸びをする。

       

      ああ、ずいぶん遠くに来たもんだなあ

      この景色や心境を誰かと分け合いたいなあ

      映画イントゥザワイルドのクリスの気持ちがわかった気がする。

       

      防波堤の上をしばらく歩きながら

      海を眺めていた。

      視線を下に向けると何やら落書きがある。

       

      "locals only"

       

      お!なるほど!

      やっぱここが波が立つのか!

       

      にしてもダセエ落書きだな。

      海は誰のものでもねえよ。

       

      なんかムカついた俺はその落書きにションベンをかけてやった。

       

      車に戻り夕陽に向かって走り出すと

      ちょうどジャスティンビーバーのホーリーが流れ出した。

       

      That the way you hold me, hold me, hold me, hold me, hold me
      Feels so holy, holy, holy, holy, holy…

       

      って歌詞の部分が

       

      じゃあ、海を見よう見よう見よう見よう…って聞こえるのは俺だけか?

       

      とりあえずこのまま海沿いを走らせようと思った。

       

      海に沈む夕陽を見ながら。

       

       

       

       

       

      人間の本体

      人間の本体

      いいか人はな

      心が本体なんよ

       

      肉体はそりゃあ歳を取る

      でもな、心だけは錆びるなよ

       

      どんなに歳を取ろうが

      真ん中だけは輝かせろよ。

       

      目を覚ましたばかりの俺に

      錆びついた照明が話しかける。

       

      んう〜ッッッ!

      背伸びをして気まぐれに窓から吹き忍び込んだ潮風を吸い込むと照明は無言になった。

       

      動くかあと言いつつも

      地ビールで乾杯した俺は運転が出来ないので

      ダビデ像やらなんやら見ながら

      近くの川沿いを散歩し海に出て

      フラフラと砂浜に出た後にいつのまにか気持ち良くなり居心地の良いサンシャインブリッジの中でお昼寝をしていたようだ。

       

      にしてもいい夢を見た気がする。

      真ん中だけは輝かせて生きたいね。

      なんせ、心が本体らしいからな。

      ワンカップと地ビール。

      ワンカップと地ビール。

      コンビニでほうじ茶を買い

      いざ橋を渡る。

       

      遠ざかる夜景が朝焼けに消えていく。

      何に追われていたわけではないのだが脱出成功!という心境だった。

       

      淡路SAで車を止める。

      キャンピングカーやバンで旅をしている人がたくさんいた。

       

      少し眠気が残っていたので仮眠をし

      起きてすぐに玉ねぎ丸ごとカレーを食べ

      海を見渡し背伸びをし体がポカポカしてきた

       

      嗚呼、幸せだなあ

      よっしゃー!行くかー!

       

      しばらくぶりの海を見てテンションが上がったタイミングで下道に降りる。

       

      ナビに頼るのをやめ

      椰子の木が揺れる気持ちいい道をただひたすら走る。

       

      しばらくして出てきた道の駅で

      たこの姿焼きを頼んで待っていると

      どこからともなく神様みたいな白髪をしたおじいさんがワンカップ持参、ママチャリで登場。

       

      こんにちわ〜

       

      おう、こんにちわ〜

       

      いい天気ですねえ、おじいちゃんも

      むちゃくちゃ元気そうで!

       

      おお、ありがとう

      雨が降らない限り自転車でこの辺を徘徊しとるんですわ、日課よ。

       

      うちのばあちゃんも毎日散歩してます。

       

      ほぉ、ばあさんいくつ?

       

      たしか80なったばっかりだったような。

       

      ほぉ〜お若い!

       

      え、おじいちゃん何歳ですか?

       

      俺は88よ!

       

      え!髪もふさふさだし背筋も伸びてて

      もっと若いと思ってました。

       

      そうかあ、あれやな

      自転車やな

      俺だって動き続けなかったら一気に年を取ると思うわ。錆びないように動く、毎日コツコツと。

       

      なるほど〜

       

      あとこれや、酒。

      酒は色々柔らかくしてくれる。

      にいちゃん乾杯しよや〜

       

      俺も地ビールを買いベンチで乾杯。

       

      旅が旅らしくなって来た気がした。

       

      錆びないように動くなあ

      前にも誰かに聞いたなあ。

      さて、動き続けるかあ〜。

      明石海峡大橋

      明石海峡大橋

      ということで

      眠くなる前に出来るだけ移動してたいので

      なんとなくで南へ向かう。

       

      神戸の芸術的に造り込まれた街並みを通り越して須磨海浜公園沿いをさらに南に進む。

       

      渋滞してきたが夕暮れの街並の中

      電車とすれ違う。

       

      嗚呼、俺はこの旅で何人とすれ違うのかなあ

      いや、今まで生きてきて何人とすれ違って来たんだろうか。

       

      とかぼんやり考えながらも

      さらに進む。

       

      周りはすっかり暗くなり腹も減って来たし

      ちょうど左側に温泉が出てきた。

      大蔵海岸海水浴場の横にある龍の湯だ。

       

      駐車場に車を停めビーチを散歩する

      となりにあるBBQ施設がだいぶ賑わっていた。

       

      温泉施設内に入りまずは腹が減ったので

      馬刺し丼とタコの唐揚げ、枝豆と大ジョッキを注文しテラス席で明石海峡大橋が様々な色にライトアップされるのとその周辺の夜景を見ながらいただく。

       

      景色も料理も俺を満たしてくれたが

      やはり1人ではもの足りない。

       

      満腹になり温泉へ向かう

      温泉もだいぶ賑わっていた

      お湯は赤サビの様な色をしていて

      色の濃さ別に何種類かあった。

       

      露天風呂からまた明石海峡大橋を眺める。

       

      綺麗だなあ

      おっしゃ、明日あれ渡ろう。

       

      温泉から上がり

      リラックスエリアにて適当に漫画を読みながらヨギボーにかこまれて爆睡。

       

      深夜2時前に起きて車に戻り

      いざ、淡路島へ。

       

      エンジンをかける。

       

      するとこんな曲が流れ出した。

       

      夜から朝に変わる いつもの時間に〜
      世界はふと考え込んで 朝日が出遅れた〜

      なぜ悲しいニュースばかり
      TV
      は言い続ける〜
      なぜ悲しい嘘ばかり
      俺には聞こえる〜!

      Oh
      荷物をまとめて 旅に出よう〜!
      Oh
      もしかしたら君にも会えるね〜!
      JUMP
      夜が落ちてくるその前に〜
      JUMP
      もう一度高く JUMPするよ〜!

       

      思わずニヤける

      忌野清志郎に応援されてる気がした。

       

      とりあえず橋渡ってしまおう。

      朝日すらまだだが、夜が落ちてくるその前に。

      原池スケートパーク

      原池スケートパーク

      コンビニの駐車場

      窓から両足を出したまま朝を迎える。

       

      う〜、おはよ、俺えええ〜

      ワハっ、この格好で寝てたんか。

      とりあえずお茶飲もう。

       

      おにぎり2個とほうじ茶を買い

      そのまま駐車場で食べる。

       

      汚ねえ駐車場だなあ〜

      ゴミが散乱していた。

       

      そのまま原池スケートパークへ向かう

       

      おおーだいぶ本気じゃねえか

      大抵、県や街に任せたパークてのは

      くそなものやイマイチなもの

      ちょっと惜しいものが大半なのだが

      ここは持て余すほどに完璧だった。

       

      受付を済ませヘルメットを借りいざパークへ

      思いのほか大きく深いボウルがたくさんあり

      ニヤニヤが止まらない。

       

      本気なモノってなんでも人の心を動かすよなあ

       

      滑る前から既に楽しい。

       

      滑り出すとキッズスケーター達が寄って来る

       

      なあにぃちゃんこれできる〜?

       

      これ見ててえ?

       

      これすごいやろ?

       

      やってみて?

       

      なあなあなあなあ俺とも遊んでえ!

       

      一緒に滑ろや!

       

      なあ、ちんちん見てえ!

       

      おう、なかなか見込みのあるチンポやな

      でもしまえよ。

       

      ガハハハハ!

      わかった!しまう、しまう!

      だから滑ろうや!

       

      大阪の子ども達はむちゃくちゃ懐っこいし

      コミュニケーション能力が高い気がする。

       

      最後にみんなでこれまたちょうど良い

      スクエアが2つ繋がったようなボウルに

      ドロップインしトレイン。

       

      なあ、にいちゃん楽しかったなあ

      日本縦断したらまた来る?

       

      ん〜わからんけど。

       

      なんで?楽しかったやん!

      どこ行くの?

       

      宮古島!

       

      なんで?

       

      なんでかあ

      俺にもよくわからんけど。

       

      あほやんか!

      なんでようわからんとこに行くん?

       

      知りに行くんじゃ

      あとは流れなんじゃないかな

      よくわからんけど止まれないんよ。

       

      ドロップしたちゅーことやんな!?

      うちの弟も最近ドロップ出来るようなったで

      最初はビビってたんけどあとは流れやわ。

       

      そう、それ!ドロップしたんよ。

       

      気いつけてな!

      最後にちんちん見るぅ?

       

      お前は見せたがりやな

      おう、ありがとう!

       

      子ども達とハイタッチし別れを告げる。

       

      あ!お前だけはちんちん触ってない方の手でタッチしろよ!

       

      あ!?どっちでも触ったわ!

      ガハハハハ!

       

      まあ、じゃあな!

       

      駐車場を出る、見えなくなるまで手を振る。

       

      左折して坂を登りふと窓の外を見ると

      ママチャリの後ろにチャイルドシート付けて

      ゆるい上り坂を顔をしかめ

      額にアオスジ浮かべて必死に漕ぐお父さんと

      そのシートに腰掛け

      呑気に鼻くそほじってる子どもが見えて

      幸せだなあって思った。

       

      さて、たこ焼きでも食べて

      南を目指すかあ。

       

      大阪のクソガキたちは

      "クソガキレベル"が他より高く一味違った。

      クソガキに言わせると

      俺はどうやらドロップしたらしい。

      あとは流れやわなあ。

       

      一休さん

      とんちで有名な一休さんは亡くなる直前に

      弟子達に「この先、困ったときに開けないさい」と一通の手紙を遺された。

       

      数年後、

      本当に困り果てた弟子たちが手紙を開けると、中には「大丈夫。心配するな。なんとかなる」と書かれていたそうな。

       

      まあ、なんとかなるよなあ

      一休さんは正しいわ。