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      合計

      海へ還ろう

      美波町

      美波町

      ぼんやりと自分に備わった方向感で

      生見海岸を目指す。

       

      風まかせ

       

      って言葉が似合ってきた気がする。

       

      町を横切り

      田んぼを横切り

      どんどん進む。

       

      陽も落ちてきた頃には低い山に囲まれていた。

       

      ここはどこ?

       

      しかし道はどうやら一本しかないので

      更に進む。

       

      しばらく走らせると

       

      美波町 と看板が出てきた。

       

      美しい波の町か

       

      名前に惹かれて更に進む。

       

      いい加減運転に疲れたし

      真っ暗な道でどこに進んでいるのか

      わからなくなってきたので

      近くのコンビニに車を停めて休憩。

       

      お茶を買いにコンビニに入ろうとすると

      入り口にバックパックとスケッチブックが置いてある。

       

      "ヒッチハイクで日本一周中"

      "徳島方面"

       

      面白く生きてたら、面白い出会いがある。

       

      早速かあ〜。

       

      いい予感がした。

      ナルトトランクス

      海鮮丼を食べ終え

      南を目指す。

       

      徳島かあ〜。

       

      あ!そうだ!

      ナルトトランクス寄って行こ。

       

      前々から気になっていたのだ。

      気になった理由は何かの雑誌で目を引いたからだ。

       

      このトランクスを履いてサーフィンしたいなあと直感的に思った。

       

      元々スクール水着などを製造するメーカーとして、1975年に創業した『山口縫製』。

       

      その2代目として家業に就いた山口輝陽志さんが興したサーフトランクスのブランドが『NALUTO TRUNKS』。

       

      ブランドを立ち上げた山口さん自身も「頭の中にはサーフボードを持って、海に行くことしか考えていなかった」という大のサーフィン好き。

       

      ブランドを立ち上げて2年は収益ゼロというが、その存在は人づてに伝えられる。かなり早い時期からファッションやサーフィンなど全国紙でも頻繁に取り上げられ、またその品質がクチコミでも広まり、有名アパレルショップなどで販売されるなど、人気のトランクスメーカーとなった。

       

      NALUTO TRUNKS』の特徴は長時間海で過ごしてもストレスなく過ごせるよう細部まで気を配った縫製は職人の心意気。

      そしてサーフボードと海、サーファー自身になじむよう計算して作られたデザインは、とても洗練されて見えた。

       

      つまり"ホンモノ"ということだ。

       

      こんにちは〜

       

      こんにちは〜

       

      サーフィンとスケートしながら日本縦断中なんですけど前から気になってて寄ってみました。

       

      なるほど!

      あと20分ほどしたら代表が戻りますんで

      お待ちください!

      彼もサーファーなんできっと話合いますよ!

       

      代表の山口さんが到着してからは

      案の定サーフィンについて小1時間盛り上がった。

       

      ミッドレングスなあ

      バレてほしくなかったなあ

      俺たちみたいなおじさんはこっそり

      7.0〜くらいので乗りたいからなあ〜笑

      乗れなきゃ意味ないしなあ

      体力も落ちるし、最近はスケボーで骨折ってしまって我慢出来なくて久々に入ったら

      やっぱ上手くできなかったもんね。

       

      いずれ宮城か宮古島遊び来てくださいよ。

       

      そだなあ、俺の夢って言うか

      目標って言うか

      死ぬまで日本中のサーフスポットでサーフィンするってのがあるんだけど

      福島から北は行ったことがないんだよね。

       

      ならぜひ!

       

      いやあ、たまにお前みたいな面白い奴がひょろっと現れるんだよなあ笑

       

      いや、どうも笑

      いい出会いでした。

       

      面白く生きてたらなあ、面白い出会いが絶対ある!これは間違いないぜ。

       

      本当、そのとおりですよね。

       

      一応海パンの採寸だけしてもらい

       

      色々落ち着いたらオーダーしますね!

       

      あいよ!日本縦断頑張って!

       

      という事でナルトトランクスをあとにする。

       

      "面白く生きてたらなあ、面白い出会いが絶対ある!これは間違いないぜ。"かあ

      気さくでいい人やったなあ。

       

      宮城か宮古島でオーダー会開けたらいいなあ

       

      宮城だったら"短い夏、お気に入りの海パンで過ごしませんか?"

       

      宮古島なら"何気ない日常に特別を。"かな?

       

      とかぼんやり考えながらアクセルを踏み

      次の町へ。

       

      待ってろ、生見海岸。

      信号待ち

      信号待ちで

      なんとなく屁ぇこいたら

      近くのトラックがほぼ同時に

      クラクション鳴らした。

       

      なんかちょっと嬉しい

      世界一デカい屁ぇこいたみたいで。

       

      今、俺世界一。

      ウズパーク

      ウズパーク

      ナビをウズパークに設定し

      鳴門海峡を渡る、横目に渦潮を眺めながら。

      ありがたいことに今日も快晴だ。

       

      ウズパークとは日本きってのSkateBoardブランドEVISENの監修のもと[日本で一番美しいスケートボードパーク]をテーマに作られた無料で滑れる日本一大きなスケートパークだ。

       

      到着するともうすでに何人か滑っていた。

       

      おはざーす!

      うーっす!

       

      軽く挨拶を交わして

      自分の好きなラインを流す。

      想像力次第じゃどんなラインでも楽しめる最高のパークだった。

      やはりスケートパークはスケーターが監修した方がいい。

       

      ストリートとボウルプールが上手に融合されていてしかもボウルプールはゴリゴリのプールコーピングだ。

       

      初心者〜上級者どんな層のスケーターの好みにも対応でき、なおかつ見渡しがよく一つになっているのでそれぞれのスタイルがそれぞれに影響を与え合う気がした。

       

      気がつくと自然にセッションが始まっていた。

       

      おにいさんサーファー?

       

      はい!なんでですか?

       

      いやいや滑るスタイルが!

       

      なるほど!サーフィンもします〜!

      てかあの出っ張りどう使うんですかね?

       

      ん〜どうだろ?

       

      パークの作り手の意図を汲み取るように

      また数人でセッションが始まる。

       

      程よく滑り時間は正午になろうとしていた。

       

      いやあいいパークですねえ

      この辺のサーファーはどこで入ってるの?

       

      2リットルの天然水を飲みながら俺が訊ねる。

       

      ん〜俺が友だちについて行って前やったのは

      生見かなあ、生見海岸!

       

      生見海岸?

      ありがとう!そこ行ってみます。

       

      調べて見ると生見サーフィンビーチと出てくる。

       

      ちなみにこの辺になんかご飯屋さんありますか?

       

      ここ出てすぐに海鮮丼ありますよ

      ほら、あそこ!

       

      んじゃあそこで食べて

      あとは生見海岸目指しますわ!

      ありがとう、また!

       

      握手をしてパークを後にする。

      地元のことは地元の人に訊ねるのがいい。

       

      ググるのはその後でいい気がする。

      知識の他に本質的な交流ができるし

       表面的な事の更に1枚下にあるリアルに触れれる気がする。

      慶野松原海水浴場

      慶野松原海水浴場

      陽が昇る前に目を覚ます。

       

      車から降りて海を見ながら深呼吸&背伸び。

       

      頭が冴えてる。

      旅を振り返る。

       

      名古屋、京都、大阪、神戸

       

      とスケートしながら抜けて淡路島。

       

      この旅は無計画であり

      気分でとりあえず南に向かっているのだが

      島に着いた瞬間空気の流れが変わった。

       

      名古屋〜神戸は人工的な美しさや快適さに溢れてはいたが何かに追われていた。

       

      何かとはなんやろ、

      気がついた、ああ時間だ。

      俺ではなく皆が時間に追われている。

       

      時間に追われている人の空気が

      感染して時間という概念を必要としない

      俺にさえ伝わって来ていた。

       

      都会は向いてないわ

       

      島のゆるい空気が好きだ。

       

      何より空が広い。

      陽が昇りだす。

      空の一部を思いっきり鼻から吸い込む。

       

      涙が出る。

       

      でも泣いたのではなく、

      朝陽が眩しかっただけだ。

       

      さて、次は徳島か。

      待ってろ、徳島。

      南あわじリフレッシュ交流ハウスゆーぷる

      南あわじリフレッシュ交流ハウスゆーぷる

      しばらく夕焼けの中を走り

      近くの砂浜で車を降りて

      夕焼けが沈み切るのを眺めていると

      散歩中のおばあさん2人に話しかけられる。

       

      あらあ、お兄さんラッキーだよ。

       

      こんにちは〜どうも〜どうしてですか?

       

      私たちは毎日ここを散歩してるんだけどね

      こんな綺麗な夕焼けは久しぶりだねえ。

       

      へえ〜確かにむちゃくちゃ綺麗。

       

      じゃあねえ、達者でね〜

       

      はーい!おばあちゃんも達者で!

       

      たわいない会話だったが

      気持ちがほっこりした。

       

      俺も将来的には海の近くに住もうと夕陽を見送りながら誓い。

       

      陽も沈みきったので温泉をググる。

       

      ゆーぷる と出てくる。

      お!これだな。

       

      すっかり暗くなった田舎道を走しらせ

      ゆーぷるに到着。

       

      さっと着替えを済ませて

      温泉に入る。

       

      まずシャワーを浴びていると

      周りには

       

      おじいちゃんが2人と

      子どもたちが10人ほど

      あとはお父さん3

       

      聞こえてくる会話の内容的にどうやら近くのキャンプ施設からの帰りらしい。

       

      いいなあ、俺もいずれ子どもができたら

      キャンプとかに連れ回す親父になりてえなあ

       

      なんとなく見わたす

      すぐ露天風呂に目を奪われる。

       

      なんと露天風呂には

      滑り台とうんてい、ジャングルジム

      しかもうんていの下は流れるプールになっていた。

       

      俺以外の家族も露天風呂に驚いていた。

      がふいをつかれた子どもたちは遊んでいいのか周囲を気にして大人しくしている。

       

      最初は皆ゆっくり浸かっていたが

      そんな大人しい雰囲気をぶち壊す男が現れた

       

      そう、俺だ。

       

      まず流れるプールを流れ

      うんていをして、滑り台を全力で滑りおり水しぶきをあげる。

       

      と、今までおそらく我慢していたであろう子どもたちが一斉に遊び出す。

       

      なあなあ兄ちゃん勝負しよ!

       

      おお、いいぞ!

      でも滑り台で勝ち負けってどうするん?

       

      ん〜わかんない!

       

      わかんないんかい!

      んじゃ水しぶきが1番デカいやつが勝ちじゃ!よーいスタートッッッ!

       

      いえー!きゃー!

       

      と子どもたちと遊んでいると

      お父さん達もニヤニヤしながら混ざってくる。

       

      パパがんばれえ〜!子どもたちがおのおののお父さんの応援を始める。

       

      気がつくとおじいさんも滑り台を登り出していた。

       

      "楽しいカオス"

       

      散々はしゃぎきり皆でゆっくり浸かって

      軽く挨拶をしてゆーぷるを後にする。

       

      いやあ我ながら先陣を切れたことを誇りに思った。

       

      きっと誰しもが"キッカケ"を待ってる。

       

      どこにいても誰かの"キッカケ"になれる人でありたいと思った、大小関わらず。

       

      近くの海水浴場に車を停めて

      しばらく星を眺めコンビニで買ったビールを飲み

      そろそろヒッチハイカー現れてもいいぞお

      とほろ酔いで呟き眠りについた。

       

      波の音が心地よかった。