ワックスはサーフィン道
滑ることこそもったいないものは無い
私たちサーファーは「できたー!」というあの感動の1本のためにどれだけ考え悩み試行錯誤を繰り返しているのでしょうか。あの感動は忘れられません。その1本はいつ来るか分からずある時突然やってきます。たくさんの人が入っているピークで自分にセットの波が回ってくるのは1ラウンドで何回ありますか?いつでも波が取れるのは上級者だけです。一般のサーファーにとっては良い波を取れるのは偶然だったり、長時間粘った末だったりです。やっと来たチャンス!感動の1本になり得る素晴らしい波が自分に回ってきたとして、その時に滑ったら?それはそれは後悔しきれないです。人生で忘れられない1本になったかもしれなかったのと滑って終わりとでは天と地との差です。ビギナーの方々は滑ったという事実だけを認識しスルーしてしまいますが、実はワックスさえしっかり塗っていれば滑らなかったということに気付きにくいです。ワックスをしっかり塗って滑らない状態を作り、人生で最高の1本を迎えます。
レッスンでこの内容をお話したとき受講生は感動してました
ビギナーの方々のサーフボードを見てみますと滑るワックスが多いので、レッスンでもこの内容をお伝えするようにしています。先日も受講生のワックスがいかにも滑りそうだったので、着替えているときに私が塗ってあげました。すると「えっ普通はこんなにグリップするんですか?」とびっくりしてました。そしてそのサーフボードでサーフィンしまして、まず一言「これなら転ばないです!まさかワックスだったとは。。」とおっしゃいました。滑らなければ良いライディングができます。
剥がすときと塗るときのイチロー感
イチローはロッカールームに帰るとグローブをピカピカにするというのは有名な話です。それをしていると心が落ち着き、反省の時間、考え直す時間としています。サーフィンも精神のスポーツです。ワックスを剥がすときと塗るときは自分のサーフィンと向き合う大切な時間になります。
ワックスの汚れは心の汚れ
ワックスはたとえ滑らなかったとしても、汚くなれば剥がして塗り直します。最近ワックス汚くなっているなと心のどこかで思いながらそのサーフボードを持って砂浜を歩くのはNGです。ワックスはサーフィン道です。
ではどうすれば滑らないワックスが濡れるのか
季節を合わせよう
上記の受講生の例では、ワックスが季節に合ってなかったです。これまで見てきた中でも季節外れが原因という方は多いです。夏に春用を塗りますとボロボロと落ちます。塗ってあるように見えても海に入っているとゆるくなってしまいます。「海に入っているとお尻のところだけワックスが剥がれてくるのですが」と言われることがありますが、これも季節外れのワックスが原因で剥がれています。あとは、寒いのに夏用を使うとうまく塗れません。夏用ワックスは固いためです。塗れたとしてもネバネバ感が全く出ないのでツルツルです。ワックスは季節によって必ず変えてください。上級者はワックスの選択はかなりシビアです。
塗り方を学ぼう
次は塗り方です。次の記事に塗り方を動画付きで解説しました。実際は塗り方がとても重要です。
ワックスがすでに溶けている
季節も合っている、塗り方も間違いない、という場合で失敗する例はワックスとサーフボードの保管ですが、まずワックスの保管からです。ワックスは季節に応じて使うものが違います。外の気温や水温はそれほど高くない春先とすれば、もちろん春用ワックスを用います。しかし春の車内は温度が夏のようになるときもあります。その車内にしばらくあったワックスは溶けかけていますので、海に着いてそれを塗るとゆるくて塗れなかったり滑るワックスとなります。長時間車内に置くときは保冷タイプのワックスケースをおすすめします。
サーフボードのワックスがすでに溶けている
季節も塗り方もあっていて、ワックスも溶けていない場合は最後、サーフボードです。こちらもワックスと同じくすでに車内で溶けていた例です。特にベースまで柔らかくなってしまった場合は、海に着いてその上から正しいワックスを塗っても元が溶けているのでボロボロと剥がれます。サーフボードを高温のところに置かないようにします。移動中の車内に日差しが入ることもありますので、サーフボードはボードケースに入れ、デッキ面が下になるように置き、さらに上からバスタオルなどをかけておきます。
まとめ
ワックスがしっかり塗られたサーフボードは滑らないです。すごく大事なことです。上級者はワックスが季節に合っているかシビアに考えますし、ワックスが溶けないようにと保管にも慎重です。ワックスは直にパフォーマンスに影響を与えます。滑らないだけでいつもより良いライディングができます。Too easy!
参考
- ワックスはサーフィン道
- ワックスの正しい塗り方