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      合計

      海へ還ろう

      ふじこ

      ふじこ

      なんとなく思いつきで

      おばあちゃんと散歩

       

      幼い頃は小さな俺を自転車の後ろに乗せて

      町中を転がしていた、おばあちゃんと散歩

       

      歩くのは遅いし、歩幅も狭い。

      右手にはトランスフォームするお気に入りの杖を握りしめる、80過ぎのふじこと散歩

       

      いつのまにか小さくなったな

      俺がデカくなったのかな

       

      俺のあげた帽子をかぶって

      鼻歌を歌いながら

      つかつかとどこまでも歩く。

       

      ばあちゃん、なんで毎日こんなに歩くの?

       

      『錆びるがら、歩ぐのをやめだら歩ぐの忘せで、歩げなぐなっぺや』

       

      ネイティヴな東北弁で俺に応える。

       

      なるほど、説得力よ。

       

      目を離すとふじこは

      ゴミ捨て場のカラスと杖で戦っていた。

       

      かわいいばあちゃんだ。

       

      たまにまた散歩しよ。

      ジョギング日記②

      ジョギングの為の散歩のはずが

      散歩が好きになってしまった。

       

      人間本来の移動速度だからだろうか

      脳みそに入ってくる情報がやさしい。

      朝のひんやりした空気は気持ちがいいし

      まだ、町が眠っているのでノイズが少ない。

       

      普段見落としていた季節の流れも感じる。

      日の出も徐々に早くなり

      昨日の蕾が咲いていたり

      咲いていた花が枯れていたり

      桜は徐々に葉桜になり

      名も知らぬ虫が飛んでいたり

      空き家の玄関先にツバメが巣を作っていたり

      ハト、カラス、スズメ、それぞれが

      新しい朝を喜び声を上げている。

       

      お前ら全員どこに隠れていたんだよ?

      ってくらいに季節が加速して行く。

       

      いや、あちら側からすれば

       

      "お前こそどこにいたんだよ?"

       

      "季節の中におかえりなさい、

      一緒に真新しい今日を祝おうぜ"

       

      "このバカタレが!"

       

      って事なのだろうか。

       

      俺は今までどこに行ってたんだろう、

      同じ場所にいながら。

       

      何でも速い方が良いとされている現代

      移動も情報も仕事も出会いも何もかもがだ。

       

      時にはこうやって意図的に速度を落として

      本来の時間の流れに身を委ねることで

      いつの間にか忘れてしまっていた感覚を

      肩の力を抜いて取り戻すキッカケになるんじゃないかな。

       

      要するに散歩も必要だ。

       

      今のところ

      サーフィン の為のジョギングの為の散歩だ

      今週も月〜金はお散歩だ

      来週からいよいよ走り出す。

      マスク2枚より板1枚

      マスク2枚より板1枚

      顔を半分隠した社会では

      表情で感情を相手に伝える力も半分になるし

      表情から相手の感情を読み取る力も半分になってしまう。

       

      結果、上辺だけのコミュニケーションとなり

      心と心のつながりが希薄になってしまう。

       

      人は心を繋いで助けあうもの

      これは人類にとって危機的といえることだ。

       

      しかし、海ではどうだろうか

      マスクなんて外して生まれたまんまの笑顔だ。

       

      これからはサーファーに有利な時代なんじゃないか?

       

      いや、時代にサーフィンが必要なはずだ。

      花鳥風月

      花鳥風月

      デデーポーポーポー

      デデーポーポーポー

       

      キジバトの声で4時に目を覚ます

      西の空にはまだ月が浮かんでいるが

      もう外は明るくなり始めている。

       

      顔を洗い

      タンクにお湯を汲み

      車に板を積む

       

      お茶を淹れ、卵かけごはんを食べ

      水筒に水をいれて5時に出発。

       

      まだ、誰も起きていない町を

      東に向かって車を走らせる。

       

      radikoというアプリで

      スナックラジオを聞きながら

       

      雲一つない空に

      いい予感しか浮かばない

       

      途中コンビニに寄りバナナを買い

      目的地の駐車場に着く。

      誰もいない!貸し切りだ。

       

      もう波の砕ける音がする

      ニヤニヤが止まらず

      バナナ片手に林道を走る。

       

      海が見えた

      等間隔のうねりが地平線から

      キラキラと光りながらやってくる。

       

      木に寄りかかり

      バナナを食べながら

      ゆっくりと波チェック

       

      ん〜デカくてワイドだ

      でも綺麗だ、入るしかない。

       

      林道を上がり車に戻る

      ウェットスーツに着替え

      水筒とフィルムカメラの入ったバックパックを背負いボード片手に砂浜まで降りる。

       

      相変わらず綺麗だな

      今日もよろしくお願いします!

       

      誰もいないから大声で叫ぶ

       

      声にビビったカモメが2羽飛び去る

       

      なんか、ごめん。カモメに謝る。

       

      準備運動として砂浜を走り回る。

       

      リーシュをつけ、いざ海へ

      案外流れがありだいぶ流された。

       

      何本か無理矢理乗るが

      最後に巻かれる

       

      水がキンキンに冷えてやがる、悪魔的だ。

      悶える、叫ぶ、笑う。

       

      1時間ほどで上がり

      弱い南風に身体を乾かしてもらいながら

      水分補給をし、フィルムカメラで写真を数枚撮る。

       

      あがろう、充分気持ちよかった。

      スッキリした。

       

      疲れを感じながら林道を登る。

       

      前日の雨に散らされた山桜にとまる

      シジュウカラが気持ちよさそうに歌っていた

       

      車に着き時計を見る

      まだ、11時前だ、さあ何をしよう。

      ジョギング日記

      週末の海のため、豊かな人生のため

      生活にジョギングを取り入れよう!

      ということで試しに10分走ってみた。

       

      遅い、むちゃくちゃ遅い。

      進まない、全然進まない。

      脳内イメージと体感が全く違う。

      すぐにスピードを出せる車に慣れてしまっているせいか

      久々のジョギングは軽くショックを受けた。

       

      気持ちの良い汗をかいて体が軽くなり、

      爽やかさを感じる予定のはずが

      今感じてるのは呼吸の浅さと体の重さだ。

       

      どうしちまったんだ、俺。

      こんなはずじゃないだろう。

       

      そして"生活に取り入れる"ということは

      "習慣化"させるということだ。

       

      思いつきで衝動的に始めた事は

      大抵が急にやめる羽目になる。

      それだけは、避けたい。

       

      なので、まず"習慣化"させるために

      今週はお散歩から始める。

       

      毎朝10分歩いて10分で帰って来る。

      これを月〜金までだ。

       

      小さくてもいい、まずは丁寧に。

      始めた!ということが肝心なのだ。

      ボーイズオンザラン

      ボーイズオンザラン

      海に着くと俺はつい走り回ってしまう

      リードが外れた犬みたいに。

       

      気持ちがいいから走っているのか

      走っているから気持ちがいいのか

      どっちなのか未だに答えが出ない

       

      ただ走り方が下手なやつは

      喜び方が下手なやつが多い気がする。

       

      子どもがやたら急に走り出すのは

      体全体で喜びを表現しているからではないのか

       

      海は俺を子どもに戻してくれる

      そして喜び方が上手なやつは

      喜ばせ方も熟知している

       

      必然と人生が豊かになる。

       

      豊かな人生のため

      週末の海のため

      ジョギングを生活に取り入れようと思う。