ミニマリズム 前編
ついこないだ正月で
雪が溶けたと思う間もなく桜が咲いた。
桜、チューリップ、菜の花、ツツジ
季節のバトンを渡して行く。
タケノコがシャキッと背筋を伸ばし
タケにその呼び名を変え
鳴いてる鳥もウグイスからカッコウになった
もう、今年も半年過ぎたのだ。
俺はどうだろうか、半年を振り返る。
去年の年末に抱いた今年の抱負
キッカケになった出来事を書こうと思う。
長いので前編、中編、後編に分けた。
まずは前編からだ。
約半年前、年末の事だ。
今年は雪も多く寒がりな俺は
あまり海には行かず
地元の温泉地を開拓していた。
今日はサーフィン仲間と飲み会だ
温泉から上がりうとうとしていると
知らないうちに眠ってしまっていた。
集合時間ギリギリに目を覚まして
部屋着にダウンを羽織る
寝癖をキャップで押さえつけ
スケートボードで目的地に向かう。
あー久々の顔ぶれだ
冬なのにみんな日焼けしていて
なんか落ち着く。
たわいもない会話に各々グラスを傾ける
1件目から2件目の移動中の事だ
美人な4人組に絡まれる。
あ、スケボー持ってる!
え、てかお兄さんかっこいい!
俺?ありがとう、もっと言って!
かっこいい!かっこいい!
ほら、みんなも来て!
みんな来ちゃった。
わ、本当だ。かっこいい
ちょっとエリ酔いすぎだよ、ごめんなさいね
ほら、行くよ!
ねえ、だってかっこいいよ?もっと絡みたい!
お兄さんごめんね、またね!
俺らのテーブルが空き店に入れるタイミングで
2人に引きずられエリちゃんは姿を消した。
のむをやべえな、仲間のエーサクが言う
最近いつもこんな感じなんよね
調子に乗り気分を良くしつつ答える。
席につきみんなでシーシャを吸う
酔いが回りながらも、頭の真ん中で冷静な俺がいた。
"そうか、もうかっこつけなくてもいいのか"
たしかに最近そんなんばっかだった。
何か要らないものが外れた気がした。
その後、解散し俺はエーサクの家に泊まる
朝起きて飲み会後のダルさを感じる
おはよ〜
ブボォボボビブべべべ☆♪○°¥‼︎‼︎
挨拶と同時にこの世のものとは思えないほど
臭い屁が出た。
内臓が腐ってんじゃないかと疑うほどの。
え!?今の屁?うわぁ、ちょクサッ!
エーサクはトイレの消臭スプレーを
俺がいた場所に吹き付ける。
とても申し訳ない気持ちでいっぱいになった
車まで送ってもらい
コンビニでクソをしてほうじ茶を買う。
口の中とケツの穴が地獄のようだ。
来年は不要にかっこつけることをやめて
アルコールの摂取を控えようと
温かいほうじ茶を飲みながら誓った。
コンビニの前、誰かが撒き散らしたゲロが
冬独特の凛とした朝陽に照らされて
キラキラと光り輝いていた。
つづく