どうして自分はパドリングが遅いのか
テイクオフを覚える頃、少しずつ疑問に思うのが、どうして自分は波に置いていかれるのかということです。周りのサーファーは乗れている、自分は乗れない場面が明らかに多いのではないかと。私もそればかり悩んでいた時期があります。
パドリングの悩みの順序
自分のいる位置を知ることから始めます。今足りないものは何なのか順序立てて考えると悩みは課題に変わると考えています。
- パドリングの型
- サーフボード起因
- 運動能力
- 波の使い方
- もう一度パドリングの型
- コツ(泳力)
サーフィンを始めて1から順番に学びます。2か3のレベルで5や6を考えてもあまり意味が無く、余計な悩みの種になってしまいます。上級者になる頃ようやく6が終わります。練習すればすぐにパドリングが早くなるという意識は捨てていただいて、長期戦で捉えると気持ちも楽になりそうです。
1、パドリングの型
まずは一番始め。パドリングとはどういうものなのか。胸を反る、足を閉じる、etc...たくさんありますが基本の姿勢と漕ぎ方は学ばなければなりません。ここが分からない方は、Web上にHow to がたくさんありますので検索してみてください。また、サーフィンレッスンを受けると教えてもらえると思います。
2、サーフボード起因
次がサーフボードです。まだパドリングの型を知ったばかりでショートボードを使用しているケースです。無理なものは無理です。少しでも大きなサーフボードを使用してパドリングを覚えていただきたいと思います。大きなサーフボードは姿勢の確認、パドル動作の確認、自分が今進んでいるのかまたは進みが悪いのかがよく分かります。何より波に押されやすいので何回も前に出ます。どういうときに前に出るのかが分かりやすいです。こちらのステップはテイクオフを覚えるくらいの方が当てはまります。具体的には、ソフトボードを卒業してファンボードを使用する段階ですが、この時にショートボードを使用してしまうとパドリング上達がパタッと止まります。P8モデルをご利用ください。
3、運動能力
続きましては、ビギナー卒業レベルです。テイクオフをして横に走れるようになってきました。ここで根本的な大きな壁がやってきます。個々人の運動能力による差です。パドリングするパワーや瞬発力や持久力です。ここは長いので心して取り掛かりますが、長いということを知っていれば悩みではなく課題に置き換わります。サーフィンをやってやってやりまくるしかパドリング力はつきません。5年くらいを目処にしてください。土台となるパワーと瞬発力と持久力を最初から持っている若い方は上達が早いです。しかしそういう人は少ないです。こちらのブログは40代でサーフィンを始めた方へ書いています。皆様はぜひじっくり課題に取り組んでください。難しいほど楽しいです。ミックファニングは波のない日はDバーをパドルで往復していたそうです。また、ライディング後に沖に戻るのを早くするなど、日々トレーニングを心がけます。野球で言えばピッチャーの投げるパワーと瞬発力と持久力と同じようなもので、これを1年で完成形に持っていくことはできないはずです。自分はどうしてパドリングが遅いのだろうのほとんどはこちらの段階かもしれません。サーフィンはゆったり波待ち、リラックス、禅の要素がありますが、基本は高い運動能力が求められるスポーツです。トレーニングは必要です。楽しみながら少しずつやっていきましょう。
4、波の使い方
波に乗れるしパドリングも人並みに漕げるが、という方へ。パドリングのトレーニングと平行して、波の使い方を学んでいきます。波がどこでブレイクしてどこにパワーがあるのかを知ることで、波の使い方を習得できます。波を知ることもまた経験値が必要ですので4番としました。
- どこに波が来るのか
- やってきた波はどこでブレイクするのか
- その波はどのようにブレイクするのか
- 波自体のどこにパワーがあるのか
- 何を利用すれば自分のパドルスピードが上がるのか
- 波のどこでキャッチできれば滑り出すのか
波を取るということはライディングすることと同様にサーフィンの快感の一つです。波との調和は自然の中に自分がいると思える一場面。ここまでぜひ上り詰めてください。毎週末入れる方で5年、冬はやらないという方で10年を目処にここのレベルが最終目標で十分だと思います。波と一体化、乗りたい波は取れる、自由にライディングもできるレベルです。スーパーハッピーです☆
5、もう一度パドリングの型
中級者も超えてきますと、もう一度パドリングの型を学ぶことになります。プロサーファーと同じパドリングとは。ある程度のパドリング力があればプロサーファーと同じパドリングができます。一段とパドル力が上がります。こちらは別の機会で。HANNAH FIRMのLESSON BLACKでお伝えしております。受けてみてください。
6、コツ(泳力)
最後の最後になりましたが、進むコツ、泳力のお話です。こちらは最後ではありますが最初からでもあります。水泳競技をするとして。小さな頃から水泳をしてきて、身体ができあがり運動能力抜群な大学生と、オリンピック水泳のメダリストは何が違うの?というお話です。泳ぐ型も知っている、運動能力も抜群です。それなのに泳ぐ力に明らかな差があります。オリンピックのメダリストとの差を埋めることはできません。水泳とパドリングの早い遅いは似ています。プロサーファー同士でもパドリングが早い遅いがあります。中級者同士でも早い遅いがあります。ビギナーにもあります。これは泳力があるのだと思います。3のトレーニングを前提にして、それでもある他人との差は気にしないで良いと思うのです。自分と向き合い、過去の自分よりも泳力が上がればそれで良しです。
まとめ パドリングに終わりはない
ビギナーからプロサーファーまで。パドリングは少しずつ早くなっていくとお考えください。中級者になればみんな習得ということではなく、パドリングの上達に終わりはありません。プロサーファーですら世界のトッププロの早さにびっくりするほどです。上記6でお伝えしました多少は個人差がありますが、基本的にはサーフィンがうまい人ほどパドリングは早いということで合っています。自分はパドリングが遅いのはなんでなんだろうと悩む必要はありません。サーフィンをしていく中でサーフィンが上達するのと同時にパドリングが早くなっていきます。一朝一夕で身につくものではありませんので、悩みを課題に変えて気長にやりましょう。海に入れば入るほどパドリング力はつくということだけは100%言えます。
参考
- ビギナー用ステップアップサーフボード HFB を制作しています。
- HANNAH FIRM SHOPでHFBをご購入可能です。
- パドリングのよくある質問、体を反るのがきついです
- パーリング問題